2005.9.29の独り言

 8月15日に5年以上ぶりの引っ越しをした。引っ越しなんて大嫌いだし、できるものなら引っ越したくはなかったのだが、アパートの階下の住人にどうにも耐えかねて引っ越しを決意。あのまま住んでたら近い将来に間違いなく殺してたので、犯罪者になる前にとっとと引っ越した次第である。

 2000年5月にニューヨークからロサンゼルスに戻ってきた時も、このクソ狭いマンハッタンの部屋にどうしてこんなに?!というほど荷物があって、自分でもびっくりした。ましてや、マンハッタンよりずっと広いロサンゼルスのアパートに、しかも同じ場所に5年以上も住んでいたんである。荷造りがどれだけ大変かは、容易に想像できた。ま、仕方ない、これを機に少しは荷物を減らせるかもしれないし・・・と、クソ暑い8月上旬、ひたすら荷造りをした。

 引っ越し前月の7月は、3週間弱、日本に滞在していた。ものすごく蒸し暑いことを予想していたのに、予想外に涼しい日々が続いたせいか、日本で風邪気味になった。おまけに、数年ぶり人生3度目のジンマシンまで発症してしまった。このジンマシン、前2回は市販の抗ヒスタミン剤で収まったのだが、今回は一向に収まらない。仕方なく日本で医者に行き、医者の薬で一時は収まったかに思えたのだが、ロサンゼルスに戻ってきたら逆に悪化・・・

 ジンマシンの原因となりうる物質や事象なんて、この世に数限りなくある。医者に行ったところで「なんか悪いもんでも食べちゃったんですか?」と言われるのが関の山。私の場合、前2回の原因は明らかにメキシコ料理だったので、スパイス系に弱いのだろう。今回もきっかけは新宿の居酒屋で食べたチョリソーだった(と思われる)。それが、ロサンゼルスに戻ってから、階下の住人に対する怒りとストレスで著しく悪化。帰国した翌日、7月最後の金曜の夜、怒りと時差ボケと未だかつてないほど激しく全身に発症したジンマシンと(怒りのせいか、ジンマシンのせいか、原因不明な)発熱で眠れぬまま、アパートの管理人宛てに「30 Days Notice(通常、アパートを出る場合に30日以上前に書面で通知する、その文書)」を書き、ついでに階下の住人に対する苦情のお手紙も書いた。

 その勢いで、その夜のうちにインターネットのアパート探しサイトにお金払って登録し、物件を探した。このサイトの会員権は60日間有効。すでに住居が決まった人が残る有効期間をネットで安く売っているのをよく見かける。しかしこの時の私に、そんな取引をしている気持ちの余裕はなく、速攻でカード決済して、正規会員登録。

 翌日、ネットで探した良さそうな物件を何軒か見学。一番気に入った部屋の大家に、その日のうちに申し込み書を提出した。実際ここはかなーり気に入り、もうすっかり決まった気分で家具の置き場所まで勝手に考えていた。しかし、そういう条件のいい物件は、ライバルも多い。2日後の夕方、大家から「あんたのクレジットヒストリー(信用調査みたいなもん)は素晴らしかったけど、他にもそういう人がたくさんいたから」と断りの電話がかかってきて、相当に落ち込む。そしてあせる。

 勢いで「30 Days Notice」出したのはいいけど、次に住むとこが決まんなかったら、どーしよー!!!

 それまでアメリカで4〜5回、アパート探しをしているが、そもそもライバルがいたことがなかった。私自身の信用調査がOKなら、それでOKだった。

 ここ近年、ロサンゼルス近郊(だけじゃなく、全米の主要都市でそうらしいが)はまさに住宅バブル。住宅価格が上がるから、家賃も当然つられて上がりまくり。前に住んでいたアパートの家賃だって、私は5年以上前から住んでいるので年3%の値上がりで済んでいたが、次に誰かが入る際の家賃は確実に2〜3割、上乗せされていることだろう。当然、相場と比べて安めの物件には人気が集中する。一度など、日当たりが悪い上に窓も小さく、昼でも暗くて、さらにクソ狭い部屋のあちこちで、大勢の人が申し込みフォームを書いているのを見て唖然とした。確かに場所の割に家賃は安かったけど、いくら安くてもこんな暗くて狭いところになんか死んでも住めない、と、私は見た瞬間にパス。こんな部屋でさえ、ものすごい倍率なんだー、と驚き、そしてさらにあせる・・・

 仕方なく部屋探しの条件を広げて検索し、翌日、めぼしい5〜6軒に電話。しかし、何故か全部、留守電だったり、代理人が出て伝言を伝えたりというパターンで、大家(もしくは管理人)自身と全然話せない。さらに、その日のうちに折り返し電話があったのは、1軒だけ。とにかくとっとと決めて落ち着きたかった私は、その日のうちにこの1軒を見に行き、その場で契約を交わしてしまった。これが8月2日、契約は8月15日から。

 その後、2〜3日経ってから2軒ほどの管理人から電話があった。そんなに経ってから電話もらったって、もう決まってるっての!

 実際のところ、8月末までに引っ越せば良かったわけで、冷静に考えればそんなにあせって決める必要はなかったのかもしれない。しかしまあ、これも運命(???)。

 かくして新しい住処が決まり、苦難の引っ越し作業が幕を開けたのである。(引っ越しにまつわる話、次回に続く)


 それにしても、本当に引っ越しって大嫌いである。荷造りが大変なのはもちろんだが、アメリカだけあって、各種住所変更手続きやら公共サービスの停止&開始に伴うトラブル、新居のために買った家具の不着騒動など、数限りない試練を乗り越えなければならない。それはもう頭痛の連続である。

 ここ最近は引っ越しや各種サービスの変更をしていなかったから平和だったが、改めて「私って本当に公共サービスにまつわるトラブルが多い」と実感。10年来の友人からも、しみじみとそう言われてしまった・・・


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